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啓成高校3期生とその仲間たち

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1969夏 vol.20  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/26(Tue) 11:04 No.1000

 「ひょっとして、今の表情からすると知ってる人間っていうだけじゃないようにも見えるんですけど。よかったら聞かせてもらえません」。ソフトな口調を余山が言った。

 「旦那・・・・23で結婚して1年で離婚かれたけど」。

 予想もしていない言葉が返ってきた。

 「あの時は、岳じゃなく西澤って名乗ってた。今考えると本名じゃなかったのかもしれないけど」。

 「本名じゃないって?戸籍謄本とかはちゃんとあったんだろ。だったら」。詰問するようにポッコが言った。

 「戸籍謄本はあったけど、両親や兄弟、親戚にもあったことないし、今考えると彼のこと、ほとんど知らなかった。離婚っていっても、正確には行方不明みたいだったし」。

 「そいつのフルネームは、なんちゅうのさ」。

 「西澤孝明」

 東京で一緒に飲んだ同期のスケベダンス教師と同じ名前じゃないか。西澤は38年来の俺の心の友だ。その名前を使うなんて偶然とは思えない。

 「挑発してやがる。いかにもって名前なんか使いやがって。こりゃあ昨日、今日、仕組まれたもんじゃないぞ。会いに来いって言ってやがるんだ」。 いつもの関西弁が、標準語に置き換わっていた。ああみえても中山の本質は冷静な男なのだ。彼のいらだちが俺にも伝わってきた。

 「乗ってやろうじゃないか。そのシナリオに。職員室か」

 「それなんだけどな。俺とぽっこが調べた限りじゃ、この男、学校に一度も来た形跡がないのさ。手に入ったのは、この写真と住所だけ」。

 ポッコたちの調べでは、自称:岳尚宏氏は札幌市の中心部、薄野からあすぐの場所に住んでいた。俺たちの移動に無理がないように考えてでもくれたのだろう。まったく念のいったご手配だ。

 「いまさらやけど、この写真とか住所とか、どないして手に入れはったん?」興奮がさめたのかいつもの中山に戻っていた。

 「昔取ったなんとやらってやつだな言ってみれば」。

 思い出した。金銭の受け渡しを伴わずに商品を自分のものにするテクニック。つまり○○は、高校時代のポッコの得意分野のひとつだった。

 個人情報保護がうるさく叫ばれている元の時代なら、これも立派な犯罪だろうが、この時代はおおらかなものだ。ポッコたちもレコード店よりは苦労しなかっただろう。

 「アポイントメントはどうする」。

 「この際や、省略しとこうやおまへんか」。




Re: 1969夏 vol.20  クチ(中川信一) - 2006/09/26(Tue) 12:13 No.1001

bakuturisi.gif フムフム・・・いよいよか今日に入ってきましたなぁ〜。

「西澤孝明」そして「岳尚宏」が如何に繋がるのか・・?

ふむぅぅ〜!




Re: 1969夏 vol.20  ぽっこ(小森) - 2006/09/27(Wed) 18:24 No.1002

mkao025.gif ある時は西澤、またある時は岳、しかしてその実態は?

・・・共通項は・・・変態・・・

あ!つ、次は中山が危ない!


1969夏 vol.19  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/25(Mon) 22:28 No.999

 十勝沖地震はないわ、ビートルズのメンバーは入れ替わるわ、どっちが本家でどっちが元祖やら。

 頭の中がクエッションマークの団体で飽和状態になりかけた頃、10組コンビが予定を大幅に遅刻してやってきた。柄にもなく深刻そうな表情が気にかかった。

 「そっちは話が通じたみたいだな」。ため息をつくように高内が言った。顔や口調にこそ疲れがにじみ出ていたが、視線はスケベ親父丸出しというアンバランスな中にも彼らしさを感じさせるコンビネーションが見事だった。

 中山が、今までの奈美との話をかいつまんで説明した。その口調や姿は、一流企業のやり手の営業マンというより、前途有望な若き関西のぽん引きのようにも見えた。

 「まぁ、簡単にいうとやね。こういうこっちゃ。で“そっちは”ちゅうセリフがでるいうことは、なんぞ不首尾があったんかいなっ」。

 「どうにもこうにも。話がどうも妙な具合なんだな。これ見てくれよ」。ポッコが、一枚の写真を差し出した。

 「これって、まさか?」

 「そうだ。これが我が校の岳先生様」
 
 そこには、俺たちの知っている岳とは似ても似つかない顔の男が、モノクロでほほえんでいた。

 「知ってる顔?」俺は受け取った写真を奈美に示した。

 「まさか、これが?」

 「そう、自称:岳尚宏氏ご近影。やっぱり君の方とも違うの」。
 俺の言葉が耳に入ったのか入らないのか、奈美は食い入るように写真を見続けていた。

 「岳さんじゃない。でも、この人知ってる・・・。最初のリプレイの時、私、この人にあってる!」。

 「岳とは別に?」

 頷きながらも彼女の視線は写真を離れなかった。何か、知った顔という以上のわけがありそうだ。


Re: 1969夏 vol.18  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/14(Thu) 19:13 No.987

 30数年ぶりの高校の授業はなかなか面白かった。別に、頭が良くなったわけじゃないが、当時は理解できなかったこともよく分かる。数学を除いてはって話だけど。

 4時間目が終わるのを待ちかねたように、俺たち3人はクラスを抜け出した。お天気の良い日は屋外でランチミーティング。元の時代の毎日では、忘れかけていた経験だ。

 校舎横の高台の草むらには、すでに中山の姿があった。俺たちを見つけるとちょっとまぶしそうな顔をした。
 「同伴でお出ましいうことは、話が通じた言うことでっか?」確認するように言うと改めて彼女の方を向いて続けた。

 「どうも、中山だす。クチィ呼んでおくれやっしゃ。光栄でんなぁ。こんなところで青春のアイドルに再会ちゅうのは。法善寺はんのお導きや」。

 おいおい中山ったら、すっかり上方人になってるよ。このまま放し飼いにしとくと、彼女に水でもかけて病気平癒、恋愛成就、悪魔降伏、願成就・煩悩滅尽、あげくの果てには失せ物探しと、ありとあらゆる願い事のバリエーションを披露しかねない。俺はひとり関西漫才実演中(というより博多俄みたいだったけどね)の中山を押しとどめるように声をかけた。

 「そっちはどうだったの?」

 「さいなぁあんさん。それやがな。これ聞いたら驚きまっせぇ。あのねぇ奈美ちゃん、これまっせぇ言うてもビリヤードのマッセとちゃいまっせぇ。初級関西弁講座で「○○ますよ」の関西系バージョン。ここよう覚えといておくれやっしゃ。それでやがな、話はそらもう、えらいむちゃくちゃなことになってまんがな。」彼女に話しかけたり、こっちに振ったり、まったく忙しいお方。

 「で、早く言うとどういうことなのさぁ」さすがの余山もしびれを切らしたみたい。

 「まっええわ。結論から言うとやな。元の時代で我々が経験してきた時代とは違ういうこっちゃ。まず、身近なところではな、余山は知らんやろうけど、1968年、わてらが一年生のころにあった十勝沖地震が、こっちの歴史では起こっとらんのや。それだけやないでぇ。三億円事件もなければやねぇ、リンゴもおらんのや」。

 「それは知ってる。リンゴどころか、彼女。ヌード撮影したことさえないってさ。だから俺の部屋にあるあのヌードはこの時代にあっちゃいけないものなのさ」。

 「ちゃいまんがな。ビートルズでんがな!」

 「エッ??」「それってつまり」

 「いやいやビートルズはおるんやが。ドラムスはリンゴやないんや、あのピート・ベストや」忘れかけていた名前だった。デビュー前に去った幻のビートルズメンバー。

 「リンゴ?私の知ってるビートルズは、ジョンとポールとジョージとピートだよ。今までの時もずっと」怪訝そうな声で奈美が言った。

 「ひょっとして、おかしいのは僕たちの歴史ってわけ?」




Re: 1969夏 vol.18  ぽっこ(小森) - 2006/09/16(Sat) 15:07 No.992

icon4.gif
ビートルズのドラムがピート?!

も、もしかしたら、ポールもポール・マッカートニーではなく、
ポール・ボッコートニーっていうんじゃないのか?
で、♪わたしのナニは左巻き って歌ってるんじゃないのか?

うーむ、ありそうなことだ。





Re: 1969夏 vol.18  クチ(中川信一) - 2006/09/25(Mon) 14:49 No.997

bakuturisi.gif 外伝から本論の1969夏は??・・・vol.19が待たれますねぇ。

宮崎は「掲示板ジャックしちゃって申し訳ない・・」と言ってるけど皆楽しんでいるよねぇ〜?

少なくともクチと老川は楽しんでまっせぇ!




Re: 1969夏 vol.18  ひら - 2006/09/25(Mon) 16:59 No.998

122.gif そうそう!土曜日にトミさん(田村家友人・自称11組)に会ったら言ってたよ。
「宮崎さんの小説、面白いわ〜 この先、どうなるのかしら〜」って。

彼女みたいに投稿はしなくても「見てるだけ〜」で楽しんでる方が多いと思うよ。遠慮しないでどんどん書いてくださいな!


1969夏 外伝 最終回  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/20(Wed) 11:44 No.995

 こんな場合、普通の人間ならば「カーちゃん堪忍やでぇえええ」。と、懺悔の気持ちの数%は感じるものなのだが、いかんせんこの時の中山、すでに人にして人ではない。ただ、一匹の獣、性欲の鬼である。

 理性も人情も、妻への愛さえかなぐり捨てて、ひたすら小学校時代の同級生であるH商業高の○○ちゃんとの初体験に、心は燃えさかるのみ。37年間たまりに溜まった欲望と17歳の若い肉体の組み合わせは、控えめに言っても軽自動車に20トンダンプのエンジンを積んだ状態。なのである。(ここちょっと鬼平犯科帳タッチで)

 暗闇が、まるで小さな死の訪れにも似て、北国の初秋を支配し始めた頃、二人を乗せた列車は、函館本線銭函駅へと到着した。

 「9月の銭函は冷えるね」。さりげなさを装いながら、中山は学生服を陽子(仮名)の背中に、そっと掛けた。

 「あったか〜い。なんだか中山くんの匂いがする」。陽子(仮名)は、コケティッシュな笑みを見せた。

 エッ、臭いほんまかいな!?「におい」という単語に臭いを連想するあたりが、悲しい親父の性ではある。

 「やだぁ、何、鼻をクンクンさせてるのぉ。中山くんたらぁ」。
なんやぁ臭いやのうて、匂いやったんかいな。

 夏のざわめきを、老人の遠い記憶のように薄れさせてた初秋の海では、夜空を照らす月の灯りに、波頭が白く砕け散っていた。
 二人は冷たい海からの風から身を守るように身体を寄せ合った。光景としてみれば立派に若き恋人たちのシーンである。美しいと言えなくもない。
しかし・・・・。

 中山は、そっとポケットの中を確かめた。指先に触ったモノの感触・・・。「ある」準備オッケ〜。第2チェックポイント通過ああああ。後は、持ち込むだけや。

 狡猾である。本来ならば淫行条例に抵触するであろうこれからの行為も、この時代ではそもそも条例の一行すら官報に記載されていない。ましてや
、この夜の中山は17歳。金も払っていないので、買春にすらあたいしない。

 「海は何も言わないけど、嬉しいこと、楽しいこと、悲しいことや切ないこと、たくさんの人たちの人生を見つめてきたんだろうねぇ。何千年も、何万年も・・・」。

 「中山くんってロマンチストなのね」。

 互いの言葉に意味などはない。他人にしてみればバカなセリフとしか思えない。とまれ、当人たちにとっては一種別世界。精神的にはドラマの登場人物のような状況にあると言っても良いだろう。

 ま、陽子(仮名)はともかく、中山にとっては、この人とだったら、○○してもいいかな〜。と陽子(仮名)の敷居を下げさせることが目的なのだ。いいやぁ、エイッっと心の一線を踏み越えさせるきっかけを提供できればいいのだ。必然性はどんな無理無体をも可能にする。

 この男が、熟し柿のクチ、落としのクチ、ハードル下げのクチはん、と異名をとる所以ではある。

 「寒くなってきたね」。言葉と同時に中山は彼女との距離を詰めた。寒気にさらされた世界の中でじんわりと体温が伝わってきた。そこにあるのは夜のしじまと潮騒のささやき。言葉のない世界がふたりを包んでいった。



     ここから結末が二つに分かれますのでご注意を。
      まずは1番のパターンから。

 では、いよいよいきますか。ちょい不良オヤジの本領発揮でっせぇえええ。とばかりに、陽子(仮名)を抱きしめようとしたとき、中山は彼女の中に不思議な律動を感じた。

 なんや初めての体験に震えとるんか。かっわいっいの〜ぉおおおお。
 ンッ?それにしてはちと違うような???。思う間に陽子(仮名)の律動はさらに激しさを増した。寒いのん?それとも興奮しとるん??。わての甘いささやきと巧みなテクニックに???。

 「ごめん中山くん、ちょっと私・・・」。

 ここで中山は最初の間違いを犯した。
 「大丈夫だよ。怖くなんか無いって」。中年男にあるまじき、拙速。一気に事におよぼうとした、その時。

 「ちょっとやめれって!」打って変わった声と同時に、陽子(仮名)は立ち上がると身をよじらせながら、岩陰に向かって走り出した。

 ナッ何が起こったんや。中山は意味も分からず陽子(仮名)を追いかけた。(第2の間違いである)その気配に陽子(仮名)が大声で叫んだ。

 「こっちくんな、このタクランケ。すけべ〜。キャ〜チカン〜」。

 生理現象に逆らえないのは男性だけではない。さらに言えば女性の尿道は男性のそれより短い。中山が生理現象という事実はやっと気づいたのは、放心したような表情で彼女が岩陰から姿を現した時だった。

“時すでに遅し”

 気まずい沈黙だけがふたりの間を流れていった。

 ノロイや、オシッコのノロイや。せやけど、もし3度目があるんなら、その時は絶対、彼女にもオシッコタイムをおおおお。
月に向かって誓うめげない若オヤジのシルエットは、夜の海を背景に燃え上がるのだった。

           パターン1 しまい

           パターン2始まり

 では、いよいよいきますか。ちょい不良オヤジの本領発揮でっせぇえええ。とばかりに、陽子(仮名)の肩を静かに抱きしめた。あらがうそぶりさえ見せず、陽子(仮名)は、そっと中山に身体を預けた。

 「君の体温をもっと感じていたいんだ。この海と月と星だけの世界の
で」。またまた歯の浮くようなセリフである。

 「守ってくれる。私のこと。いつまでも・・・」。

 中山は、答える代わりに厚い唇にほほえみをたたえながら、陽子(仮名)に顔を近づけた。軽く目を閉じた陽子の唇に、中山はそっと唇を合わせた。

 最初はソフトにやねぇえええ。なんせ相手は初体験(多分)やさかい、優しゅうに、っと。へてから次に濃厚に。でキッスの後は、っと。

 その時、中山はあることに気づいた。ンッ、この唇の感触?どこか遠い時代に覚えがあるような。こっ、これは紛れもなく・・・。

 「なんやトーちゃん。今日は情熱的やねぇ。新婚当時みたいわぁ」。目の前で17歳のはずの陽子(仮名)の表情が、みるみる懐かしいというか、慣れ親しんだそれに変わっていった。

 「か、カーちゃん!!!」
 ブレインスリップ、それは誰にでも、そして何時起きても不思議はない体験なのである。

            パターン2しまい




Re: 1969夏 外伝 最終回  クチ(中川信一) - 2006/09/20(Wed) 23:28 No.996

bakuturisi.gif なんとも想像だにしなかった展開やね。

この2パターンはたいしたものです。

クチ的には・・・初キッスできた彼女と結ばれる・・・というのが想定だったんだけどねえ〜。

さすがにこの2パターンは思いつかなかったねえ。

でも札幌の仲間もかなりの仲間がこの小説楽しみにしているみたいやでェ〜!


9881969夏 外伝 続き  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/15(Fri) 15:54 No.990

 欲望の度合いに比例して行動は迅速化・効率化を極める。か、どうかは定かではないが、ともかくこの日の中山の動きに無駄はなかった。BSミーティングでも、いつものおちゃらけは一切無し。普段の中山とも思えぬ的確且つ迅速な言動に驚く神崎等を後目にサッサと大朝駅へと向かった。

 エッ?中山って札幌市内在住でしょ。通ってるのは道立K高校っていう設定だよね。それがなぜ大麻駅をというお若い諸君(まぁ見てるとは思えないけど)のために解説しよう。

 今(2006年)なら、当然「森林公園駅」となるはずだが、「森林公園駅」の開業は1984年9月。実にこの時代から15年後のこととなる。とまぁそのような訳で、勇躍大麻駅へ向かったものと思ってくれい。

 大麻で“ある買い物”を済ませ、1966年に出来たばかりの真新しい駅舎に到着した中山は慎重に車両のチェックを始めた。

 「確かこのあたりの席やったな。時間も、ウン、こんなもんや。せやせや、先にトイレを済ませてっとねぇ。ここが本日のポイントでっせぇ。ひょっとすると人生の別れ目やからねぇ」。などど一人でつぶやく姿に周囲の人々は「まぁ、はんかくさい子だこと」と、冷たい視線を隠さなかった。

 しかし、その程度の障害は歯牙にも掛けず、意気上がる中山を乗せた車両が走り出したのは空がすっかり暗くなった7時頃。

 「いよいよファーストステージや。ムフッ」。

 列車が次の駅に滑り込むと乗ってきた一人の少女が中山に気づいた。
 
 「あら中山君じゃない。一人?一緒に座っていい?」言いざま隣に座った少女の横顔は、小生意気にも女の憂いを見せていた。

 ムフッ♪バッチ グーや。予定通りやおまへんか。BSさまさまやぁ。という心の動きを、最近白いモノが混じり始めた陰毛ほどもみせず、精一杯の優しさを込めて彼女に問いかけた。

 「どぅしたの?元気ないね?」

 「彼にフラれちゃったぁ。中山君このあとは暇?なんだか海が見たいなぁ〜」

 「もちろんいいさ。君の心の隙間がそれで少しでも埋まるならね」。

 「ありがとう。グスッ中山君って優しい人だったんだ」

 まるで喪黒福造である。正直に言えば、お前が埋めたいのは心ではなく、違う隙間だろう。という突っ込みを入れたいところだが、それは割愛。却下。取りあえず話を進めよう。

 ここでのポイントは女に考えさせんことや。明るい話題もええけど悲しさをまったく吹き飛ばしてもあかん。若いねーちゃんと○○(筆者注:差別語に付き伏せ字としました)は、殺さんように、生かさんように。っと。怖いカーチャンには、殺されんように、見つからんようにっと。まっそのとにかく、今まで見たラブロマンスのシーンやあのスケベの及山から直伝された甘く、グッと来る言葉やテクニックを総動員して、銭函まで持ちこむんやぁああああ。

 鬼である。    執念ここに極まれり。

 この執念が版画にでも向かえば第二の棟方志功、事業に向かえば一代で財閥を築くことも不可能ではなかっただろう。いや、一国の宰相でさえも・・・。

             最終回へ続く




Re: 9881969夏 外伝 続き  クチ(中川信一) - 2006/09/15(Fri) 18:52 No.991

bakuturisi.gif >>せやせや、先にトイレを済ませてっとねぇ。
>>ここが本日のポイントでっせぇ。ひょっとすると人生の別れ目やからねぇ
→そーーなんですぅ♪この事前にオシッコ済ませておくところがポイントなんよぉぉおお!




Re: 9881969夏 外伝 続き  クチ(中川信一) - 2006/09/18(Mon) 09:29 No.993

bakuturisi.gif 出張先の札幌でも読んでまっせえ♪




Re: 9881969夏 外伝 続き  ひら - 2006/09/18(Mon) 21:41 No.994

122.gif >>♪この事前にオシッコ済ませておくところがポイントなんよぉぉおお!
確かにポイントは押さえたわね。でもね〜9月の夜7時過ぎの銭函は冷えるよぉー! 第一、海どころか足元も見えないと思うけど・・・とりあえず健闘をお祈りします。


1969夏 外伝「ディア マイ ...  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/15(Fri) 10:20 No.988

中山(仮名)氏のご要望により、今回は外伝を投稿させて頂くことになりました。
毎度毎度、うっとおしいとは、存じますが、お目汚し下さい。


         1969夏 外伝「ディア マイ あんなこと&そんなこと」

 「あれは丁度こんな季節やったなぁ」秋の気配が漂い始めた学窓を眺めながらクチこと中山信勝は、甘酸っぱい思いに浸っていた。
 「あの時や、あの時、あれさえなければ、もしかしてムフッなんちゅうことも・・・」

 さて、この中山、一見すると開けっぴろげで、お気楽、人畜無害の好人物にも見えるが、実はなかなか用心深く根に持つ性格なのだ。用心深い性格の常として過去の事例に対する分析力にも長けている。加えてある種の事柄に関する記憶力は抜群ときている。
 ブレインスリップなどと言う異常な事態の中で、停滞気味だったその能力が、この時目を覚ました。

 「今日が9月の第2週の土曜日やね。で、確かあの時も・・・。ヤヤッ!ぴったんこ今日やおまへんかああああ!」

 歓びのあまり、ライク ア ヴァージン〜 フ〜ッ。と思わず口にしかかった中山だが、そこはそれ50男の理性できっちりと抑え、何気ない表情で古典の授業を受け続けた。

 2006年9月14日に12年ぶりの来日を果たすはずのマドンナは、この時11歳。当然の事ながら宝焼酎「純」のコマーシャルにも出ていなければ、セックスシンボルですらない。“ライク ア ヴァージン”など、誰も知らないわけだから、この中山の行動は十分に頷ける。

 しかし、改めて考えると、記憶している70年代以降の名曲を楽譜に写し取って作曲家デビューという道もあったはずだが、そこはそれ、目先の欲望に忠実なこの男のこと。そんなことは思いもよらなかった。

 話が見えないとお怒りの諸兄姉のために付け加えれば、実は、この日1969年9月某日こそ、中山にとって忘れもできない初体験のビッグチャンスの日だったのだ。だった。と強調するように、そのもくろみは見事に失敗している。それだけに思いは募る。という次第。これはなんとなく納得できないでもない。

 「この時代にはまだ女房とも出会ってないんでっせぇ旦はん。子供の教育にも悪いいうこともあらしまへん。ましてや罪の意識かて背負う必要もナッシング。ヤリ放題やおまへんかぁあああああ」中山に巣くうハニースイッチというか悪魔の声が、強力に背中をプッシュした。いや、よく考えれば、背中というよりもっと身体の中心部に近いあたりだったっかもしれない。

 あの精鋭を誇る某国自衛隊の諸氏やチャイニーズ高内さえ、上海あたりでそのドツボに嵌ったといわれるハニートラップ。その威力を凌ぐとされるハニースイッチ。その前に、中山の自制心はあっさりと消え去った。

 「今日こそリベンジや!積年の思いを成し遂げてくれるわ」。
ったく、もう、あんたは戦国武将か。とつっこみのひとつも入れたくなるほど、絶好調、やるきの鬼と化した中山ではあった。

            <続く>




Re: 1969夏 外伝「ディア マ...  クチ(中川信一) - 2006/09/15(Fri) 12:09 No.989

bakuturisi.gif ふむふむ・・♪

はて、さてこの後どないなるん?どないなるん?
楽しみでんなぁ〜。


Re: 1969夏 vol.16  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/11(Mon) 12:10 No.981

 「岳って、岳尚宏のこと」俺は驚きを隠しながら聞いてみた。

 「知ってるの?」

 「知ってるも何も、一昨日の夜はヤツと飲んでたよ。もちろん、元の時代でだけどね」

 「そう、そして今日は、僕たちの仲間が彼とコンタクトを取ることになってる」。俺の言葉を引き取るように余山が続けた。

 「ウソッ岳さん、この時代に来てるの?」

 「正確には、彼らしき人物って言った方がいいかなぁ。ほら、これ」。余山は「学校だより」を彼女に示した。

 「岳さんがこの時代にいるってことは、やっぱりダメだったのかもしれない」

 「ダメだった?」

 「あのね、リプレイ、リライフでもいいけど、どうして“リ”がつくと思う」

 「リノベーション、リサイクル、リストラクチャリング・・・。意味的には再びとか後にとなるけど、単純に考えれば、ゲームでいうところのやり直しっていう意味かなぁ」。

 「そうやり直し。リプレイはゲームのリプレイと同じ」。

 「ってことは君は元の時代で、もしかして」俺の読んだ小説では、主人公は一旦・・・。

 「死んだのかってことなら、その通りだよ。3回目のリプレイって言ったけど、プロセスは違っても結末は3回とも一緒。52歳で、私の人生は終わり。今までそれを繰り返してきたの。でも、岳さんはもしかしたら解決できるかもしれないっていってた。解決って言うのは53歳以降の人生があるって意味だけど。だから、またこの時代に岳さんが戻ってきてるって事は・・・」。最後の声が小さくなっていった。

 「悲観することでもないさ。岳が解決法を見つけて、それを君に教えるために戻ってきたって可能性もあるじゃないか。それに、今までのリプレイの中で俺たちみたいな人間には会ったことないんだろ」。

 小さく頷いた彼女に、俺は昨日から気になっていた事を確かめてみた。「今までの経験の中で、ヌードを発表したことってある?」。

 「まさか!冗談でしょ!」




Re: 1969夏 vol.16  クチ(中川信一) - 2006/09/12(Tue) 08:51 No.984

bakuturisi.gif うーーん!奥が深い!

>>「今までの経験の中で、ヌードを発表したことってある?」。
>>「まさか!冗談でしょ!」
→これって?現実との違いはどうして起こったのか?

それにしてもVol1から16へと繋がっているといいなぁ〜。
前の読み返しもして繋がり確認したいしねぇ〜。
ねぇ田村はん♪

・・・と!そういえば田村の出番は作品ではあるのかなぁ?




Re: 1969夏 vol.17  三期松 - 2006/09/12(Tue) 20:52 No.985

 なんとまぁ予想通りのお答え。“何かが意識的に、この世界(いや舞台かな?)に俺たちを送り込んだという高内理論も、あながちはずれてはいなかったようだ。

 「やっぱりね。僕たちがこの時代に来たのは、偶然じゃなくって必然っていうか。なんらかの理由があったみたいですねぇ」。余山が俺の方を向いて、したり顔に頷いた。

 「それって、もしかして、あなたたちのいた世界じゃ・・ホント・・・。エーッ信じられな〜い。で、どうだった、何やってたのポルノ女優?にっかつロマンポルノかなんかの。時代が時代だから裏ビデオなんかじゃないよね」。あらま、しっかり楽しんでるよこの人。それにあんたの年ならビニ本でしょうが。

 「青春のアイドルだったよ。リンゴヌードの浅田奈美を知らない、同世代なんて、はっきり言ってパチもんだね」。俺は自信をもって請け負った。

 「リンゴって」。笑いをこらえながら聞く生の浅田奈美。こんなシーンに出会えるんならBSも悪い体験じゃないかも。

 「こーやってね。ここにリンゴをもって仁王立ち。迫力あったんだからぁ」ポーズを取る余山の姿がさらに笑いのGスポットを刺激したみたいだ。

 「ところでさ、君はいくつでその、なんだなリプレイを繰り返すって言うか」フーッ、目の前で生きてる人間に、死んだ年を聞くのは変な感じだ。

 「死んだのかってこと?」。

 「まぇ、そういうこと」

 「48歳。死因は・・っていうか。死ぬ直前の記憶では、事故だったり、心臓の発作だったり、その時々で違うけど、“それ”が起きるのはいつも誕生日一ヶ月前の48歳」

 「俺たちのいた時代では、少なくとも52歳までは、浅田奈美は生きていた」。間違いない。少なくとも浅田ファンの中山の情報によればだが。

 「じゃぁもしかしたら・・」。

 「まぁ、君のために僕らが来たっていうロマンチックな展開とまでは、行かなくともですねぇ。うんとぉ、結果としてこのメビウスの輪みたいな状態から、あなたが抜け出す手助けにはなるかもしれないね」。

 「そのあたりについては、俺たちより理数科の高内やポッコの方が旨く説明出来ると思うよ」。

 「アッと、それからねぇ、も、ひとつ気になってるんだけどぉ、どうして僕たちのことリプレイヤーだと思ったわけ?」そうそう俺もそれが気になってたんだよ、余山くん。

 「見りゃぁ分かるジャン。ううん、余山くんじゃなくって。神崎の方」。

 「俺・・・?」

 「そう、一ヶ月前まで、女の子に声もかけられなかった。ドーテーくんが、一人前の口、聞くんだもん。しかも余山くんと前から知り合いみたいな態度だし。一目瞭然ってなもんですよ」。

 「なるほどね。学校がひけたら、他の奴らと一緒に話しあおうや。出来れば、岳先生も交えてさ」。

 「抜け出せるかなぁ?」難しい質問だ。抜け出せても良いことばかりとは限らない。このままリプレイを繰り返して、思うままに生きた方が幸せなのかもしれない。そんな気持ちが、ふと心をよぎった。

 「会いたい人がいたり、49歳になってからやっておきたかった事があるんだね。」静かな声で余山が言った。若々しい表情の上に、53歳の優しさがオーバーラップした。なるほど、この手できたか、このチョイ悪オヤジめ。




Re: 1969夏 vol.16  クチ(中川信一) - 2006/09/14(Thu) 18:26 No.986

bakuturisi.gif ふむぅ〜。
だんだん話しが佳境に入ってきましたなぁ。

さぁどないなるん??
でもぉ、あんな事したい!こんな事もしてみたい・・・ムフッ♪


変だぞ!ハンカチ王子  投稿者:手品師 投稿日:2006/09/11(Mon) 23:08 No.983
icon13.gif キャバレー「エンペラー」のニュースを見ようとテレビにかじりついていたら「ハンカチ王子」の話題ばかり。
ん?
ここで質問!
ハンカチ王子さん!
アナタは何をしに大学へ進学するの?
勉強がしたいの?
学卒という肩書きがほしいの?
まさか合コンじゃないよね?
野球?
だったらアナタほどの才能あるんなら「プロ」でしょうよ。
おじさんも才能は別としてダンスを極めるのなら「プロ」しか
ないと思った。
なんか変!
まあ、余計なお世話か・・・・・。


直樹のあとで・・  投稿者:手品師 投稿日:2006/09/11(Mon) 14:19 No.982
icon13.gif 土曜日「直樹」へ飲みにいった。
相変わらず客は少なめ(もっとみんな飲みに行こう!)
店をでて「キャバレー・エンペラー」へ。
そうだ、掲示板にも書いたがエンペラー最後の日だ。ラストエンペラーだ(なんちゃって)。
行くと、テレビ局の取材ワンサカ!
当然、取材を受けた。
酔った勢いで喋り捲った。
今朝、出勤するとみんなから「先生ぃ〜、見たよ〜」
「はぁ?」
「ニュース見たよぉ〜」
「随分長々と喋ってましたネェ〜」
まさか!
あれだけ大勢いたのに小生のコメントだけがオンエアされるとは・・・・・
また今日も放送されるらしい。
まいった!


10月7日 同期会  投稿者:貞野真智子(ひら) 投稿日:2006/09/10(Sun) 21:35 No.980
122.gif 秋の気配が感じられる今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか。

先週3日の第19回啓成杯ゴルフもいつもよりは少ない参加人数でしたが、キャラクターの濃い人揃いで楽しいコンペでしたよ。
難しいコースで皆さんスコア―的には苦労しましたが・・・・
優勝は初参加の横浜さん。スポーツセンスは今も健在なのね!
幹事の大和さん、三束さん ありがとうございました。

さて、来る10月7日の同期会まであと1ヶ月を切りました。
発起人会でも盛会を願って打ち合わせも大詰めの段階に入っています。
9月25日の締め切りにはまだ間がありますが、出欠がお決まりの方で返信ハガキがまだお手元にある方は早めの投函をお願い致します。

時節柄、お仕事等の調整が大変とは思いますが 5年ぶり、35年ぶりの再会を楽しみに発起人一同 心より皆さんの参加をお待ちしております。

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