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啓成高校3期生とその仲間たち

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1969夏 外伝 最終回  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/20(Wed) 11:44 No.995

 こんな場合、普通の人間ならば「カーちゃん堪忍やでぇえええ」。と、懺悔の気持ちの数%は感じるものなのだが、いかんせんこの時の中山、すでに人にして人ではない。ただ、一匹の獣、性欲の鬼である。

 理性も人情も、妻への愛さえかなぐり捨てて、ひたすら小学校時代の同級生であるH商業高の○○ちゃんとの初体験に、心は燃えさかるのみ。37年間たまりに溜まった欲望と17歳の若い肉体の組み合わせは、控えめに言っても軽自動車に20トンダンプのエンジンを積んだ状態。なのである。(ここちょっと鬼平犯科帳タッチで)

 暗闇が、まるで小さな死の訪れにも似て、北国の初秋を支配し始めた頃、二人を乗せた列車は、函館本線銭函駅へと到着した。

 「9月の銭函は冷えるね」。さりげなさを装いながら、中山は学生服を陽子(仮名)の背中に、そっと掛けた。

 「あったか〜い。なんだか中山くんの匂いがする」。陽子(仮名)は、コケティッシュな笑みを見せた。

 エッ、臭いほんまかいな!?「におい」という単語に臭いを連想するあたりが、悲しい親父の性ではある。

 「やだぁ、何、鼻をクンクンさせてるのぉ。中山くんたらぁ」。
なんやぁ臭いやのうて、匂いやったんかいな。

 夏のざわめきを、老人の遠い記憶のように薄れさせてた初秋の海では、夜空を照らす月の灯りに、波頭が白く砕け散っていた。
 二人は冷たい海からの風から身を守るように身体を寄せ合った。光景としてみれば立派に若き恋人たちのシーンである。美しいと言えなくもない。
しかし・・・・。

 中山は、そっとポケットの中を確かめた。指先に触ったモノの感触・・・。「ある」準備オッケ〜。第2チェックポイント通過ああああ。後は、持ち込むだけや。

 狡猾である。本来ならば淫行条例に抵触するであろうこれからの行為も、この時代ではそもそも条例の一行すら官報に記載されていない。ましてや
、この夜の中山は17歳。金も払っていないので、買春にすらあたいしない。

 「海は何も言わないけど、嬉しいこと、楽しいこと、悲しいことや切ないこと、たくさんの人たちの人生を見つめてきたんだろうねぇ。何千年も、何万年も・・・」。

 「中山くんってロマンチストなのね」。

 互いの言葉に意味などはない。他人にしてみればバカなセリフとしか思えない。とまれ、当人たちにとっては一種別世界。精神的にはドラマの登場人物のような状況にあると言っても良いだろう。

 ま、陽子(仮名)はともかく、中山にとっては、この人とだったら、○○してもいいかな〜。と陽子(仮名)の敷居を下げさせることが目的なのだ。いいやぁ、エイッっと心の一線を踏み越えさせるきっかけを提供できればいいのだ。必然性はどんな無理無体をも可能にする。

 この男が、熟し柿のクチ、落としのクチ、ハードル下げのクチはん、と異名をとる所以ではある。

 「寒くなってきたね」。言葉と同時に中山は彼女との距離を詰めた。寒気にさらされた世界の中でじんわりと体温が伝わってきた。そこにあるのは夜のしじまと潮騒のささやき。言葉のない世界がふたりを包んでいった。



     ここから結末が二つに分かれますのでご注意を。
      まずは1番のパターンから。

 では、いよいよいきますか。ちょい不良オヤジの本領発揮でっせぇえええ。とばかりに、陽子(仮名)を抱きしめようとしたとき、中山は彼女の中に不思議な律動を感じた。

 なんや初めての体験に震えとるんか。かっわいっいの〜ぉおおおお。
 ンッ?それにしてはちと違うような???。思う間に陽子(仮名)の律動はさらに激しさを増した。寒いのん?それとも興奮しとるん??。わての甘いささやきと巧みなテクニックに???。

 「ごめん中山くん、ちょっと私・・・」。

 ここで中山は最初の間違いを犯した。
 「大丈夫だよ。怖くなんか無いって」。中年男にあるまじき、拙速。一気に事におよぼうとした、その時。

 「ちょっとやめれって!」打って変わった声と同時に、陽子(仮名)は立ち上がると身をよじらせながら、岩陰に向かって走り出した。

 ナッ何が起こったんや。中山は意味も分からず陽子(仮名)を追いかけた。(第2の間違いである)その気配に陽子(仮名)が大声で叫んだ。

 「こっちくんな、このタクランケ。すけべ〜。キャ〜チカン〜」。

 生理現象に逆らえないのは男性だけではない。さらに言えば女性の尿道は男性のそれより短い。中山が生理現象という事実はやっと気づいたのは、放心したような表情で彼女が岩陰から姿を現した時だった。

“時すでに遅し”

 気まずい沈黙だけがふたりの間を流れていった。

 ノロイや、オシッコのノロイや。せやけど、もし3度目があるんなら、その時は絶対、彼女にもオシッコタイムをおおおお。
月に向かって誓うめげない若オヤジのシルエットは、夜の海を背景に燃え上がるのだった。

           パターン1 しまい

           パターン2始まり

 では、いよいよいきますか。ちょい不良オヤジの本領発揮でっせぇえええ。とばかりに、陽子(仮名)の肩を静かに抱きしめた。あらがうそぶりさえ見せず、陽子(仮名)は、そっと中山に身体を預けた。

 「君の体温をもっと感じていたいんだ。この海と月と星だけの世界の
で」。またまた歯の浮くようなセリフである。

 「守ってくれる。私のこと。いつまでも・・・」。

 中山は、答える代わりに厚い唇にほほえみをたたえながら、陽子(仮名)に顔を近づけた。軽く目を閉じた陽子の唇に、中山はそっと唇を合わせた。

 最初はソフトにやねぇえええ。なんせ相手は初体験(多分)やさかい、優しゅうに、っと。へてから次に濃厚に。でキッスの後は、っと。

 その時、中山はあることに気づいた。ンッ、この唇の感触?どこか遠い時代に覚えがあるような。こっ、これは紛れもなく・・・。

 「なんやトーちゃん。今日は情熱的やねぇ。新婚当時みたいわぁ」。目の前で17歳のはずの陽子(仮名)の表情が、みるみる懐かしいというか、慣れ親しんだそれに変わっていった。

 「か、カーちゃん!!!」
 ブレインスリップ、それは誰にでも、そして何時起きても不思議はない体験なのである。

            パターン2しまい




Re: 1969夏 外伝 最終回  クチ(中川信一) - 2006/09/20(Wed) 23:28 No.996

bakuturisi.gif なんとも想像だにしなかった展開やね。

この2パターンはたいしたものです。

クチ的には・・・初キッスできた彼女と結ばれる・・・というのが想定だったんだけどねえ〜。

さすがにこの2パターンは思いつかなかったねえ。

でも札幌の仲間もかなりの仲間がこの小説楽しみにしているみたいやでェ〜!


9881969夏 外伝 続き  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/15(Fri) 15:54 No.990

 欲望の度合いに比例して行動は迅速化・効率化を極める。か、どうかは定かではないが、ともかくこの日の中山の動きに無駄はなかった。BSミーティングでも、いつものおちゃらけは一切無し。普段の中山とも思えぬ的確且つ迅速な言動に驚く神崎等を後目にサッサと大朝駅へと向かった。

 エッ?中山って札幌市内在住でしょ。通ってるのは道立K高校っていう設定だよね。それがなぜ大麻駅をというお若い諸君(まぁ見てるとは思えないけど)のために解説しよう。

 今(2006年)なら、当然「森林公園駅」となるはずだが、「森林公園駅」の開業は1984年9月。実にこの時代から15年後のこととなる。とまぁそのような訳で、勇躍大麻駅へ向かったものと思ってくれい。

 大麻で“ある買い物”を済ませ、1966年に出来たばかりの真新しい駅舎に到着した中山は慎重に車両のチェックを始めた。

 「確かこのあたりの席やったな。時間も、ウン、こんなもんや。せやせや、先にトイレを済ませてっとねぇ。ここが本日のポイントでっせぇ。ひょっとすると人生の別れ目やからねぇ」。などど一人でつぶやく姿に周囲の人々は「まぁ、はんかくさい子だこと」と、冷たい視線を隠さなかった。

 しかし、その程度の障害は歯牙にも掛けず、意気上がる中山を乗せた車両が走り出したのは空がすっかり暗くなった7時頃。

 「いよいよファーストステージや。ムフッ」。

 列車が次の駅に滑り込むと乗ってきた一人の少女が中山に気づいた。
 
 「あら中山君じゃない。一人?一緒に座っていい?」言いざま隣に座った少女の横顔は、小生意気にも女の憂いを見せていた。

 ムフッ♪バッチ グーや。予定通りやおまへんか。BSさまさまやぁ。という心の動きを、最近白いモノが混じり始めた陰毛ほどもみせず、精一杯の優しさを込めて彼女に問いかけた。

 「どぅしたの?元気ないね?」

 「彼にフラれちゃったぁ。中山君このあとは暇?なんだか海が見たいなぁ〜」

 「もちろんいいさ。君の心の隙間がそれで少しでも埋まるならね」。

 「ありがとう。グスッ中山君って優しい人だったんだ」

 まるで喪黒福造である。正直に言えば、お前が埋めたいのは心ではなく、違う隙間だろう。という突っ込みを入れたいところだが、それは割愛。却下。取りあえず話を進めよう。

 ここでのポイントは女に考えさせんことや。明るい話題もええけど悲しさをまったく吹き飛ばしてもあかん。若いねーちゃんと○○(筆者注:差別語に付き伏せ字としました)は、殺さんように、生かさんように。っと。怖いカーチャンには、殺されんように、見つからんようにっと。まっそのとにかく、今まで見たラブロマンスのシーンやあのスケベの及山から直伝された甘く、グッと来る言葉やテクニックを総動員して、銭函まで持ちこむんやぁああああ。

 鬼である。    執念ここに極まれり。

 この執念が版画にでも向かえば第二の棟方志功、事業に向かえば一代で財閥を築くことも不可能ではなかっただろう。いや、一国の宰相でさえも・・・。

             最終回へ続く




Re: 9881969夏 外伝 続き  クチ(中川信一) - 2006/09/15(Fri) 18:52 No.991

bakuturisi.gif >>せやせや、先にトイレを済ませてっとねぇ。
>>ここが本日のポイントでっせぇ。ひょっとすると人生の別れ目やからねぇ
→そーーなんですぅ♪この事前にオシッコ済ませておくところがポイントなんよぉぉおお!




Re: 9881969夏 外伝 続き  クチ(中川信一) - 2006/09/18(Mon) 09:29 No.993

bakuturisi.gif 出張先の札幌でも読んでまっせえ♪




Re: 9881969夏 外伝 続き  ひら - 2006/09/18(Mon) 21:41 No.994

122.gif >>♪この事前にオシッコ済ませておくところがポイントなんよぉぉおお!
確かにポイントは押さえたわね。でもね〜9月の夜7時過ぎの銭函は冷えるよぉー! 第一、海どころか足元も見えないと思うけど・・・とりあえず健闘をお祈りします。


1969夏 外伝「ディア マイ ...  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/15(Fri) 10:20 No.988

中山(仮名)氏のご要望により、今回は外伝を投稿させて頂くことになりました。
毎度毎度、うっとおしいとは、存じますが、お目汚し下さい。


         1969夏 外伝「ディア マイ あんなこと&そんなこと」

 「あれは丁度こんな季節やったなぁ」秋の気配が漂い始めた学窓を眺めながらクチこと中山信勝は、甘酸っぱい思いに浸っていた。
 「あの時や、あの時、あれさえなければ、もしかしてムフッなんちゅうことも・・・」

 さて、この中山、一見すると開けっぴろげで、お気楽、人畜無害の好人物にも見えるが、実はなかなか用心深く根に持つ性格なのだ。用心深い性格の常として過去の事例に対する分析力にも長けている。加えてある種の事柄に関する記憶力は抜群ときている。
 ブレインスリップなどと言う異常な事態の中で、停滞気味だったその能力が、この時目を覚ました。

 「今日が9月の第2週の土曜日やね。で、確かあの時も・・・。ヤヤッ!ぴったんこ今日やおまへんかああああ!」

 歓びのあまり、ライク ア ヴァージン〜 フ〜ッ。と思わず口にしかかった中山だが、そこはそれ50男の理性できっちりと抑え、何気ない表情で古典の授業を受け続けた。

 2006年9月14日に12年ぶりの来日を果たすはずのマドンナは、この時11歳。当然の事ながら宝焼酎「純」のコマーシャルにも出ていなければ、セックスシンボルですらない。“ライク ア ヴァージン”など、誰も知らないわけだから、この中山の行動は十分に頷ける。

 しかし、改めて考えると、記憶している70年代以降の名曲を楽譜に写し取って作曲家デビューという道もあったはずだが、そこはそれ、目先の欲望に忠実なこの男のこと。そんなことは思いもよらなかった。

 話が見えないとお怒りの諸兄姉のために付け加えれば、実は、この日1969年9月某日こそ、中山にとって忘れもできない初体験のビッグチャンスの日だったのだ。だった。と強調するように、そのもくろみは見事に失敗している。それだけに思いは募る。という次第。これはなんとなく納得できないでもない。

 「この時代にはまだ女房とも出会ってないんでっせぇ旦はん。子供の教育にも悪いいうこともあらしまへん。ましてや罪の意識かて背負う必要もナッシング。ヤリ放題やおまへんかぁあああああ」中山に巣くうハニースイッチというか悪魔の声が、強力に背中をプッシュした。いや、よく考えれば、背中というよりもっと身体の中心部に近いあたりだったっかもしれない。

 あの精鋭を誇る某国自衛隊の諸氏やチャイニーズ高内さえ、上海あたりでそのドツボに嵌ったといわれるハニートラップ。その威力を凌ぐとされるハニースイッチ。その前に、中山の自制心はあっさりと消え去った。

 「今日こそリベンジや!積年の思いを成し遂げてくれるわ」。
ったく、もう、あんたは戦国武将か。とつっこみのひとつも入れたくなるほど、絶好調、やるきの鬼と化した中山ではあった。

            <続く>




Re: 1969夏 外伝「ディア マ...  クチ(中川信一) - 2006/09/15(Fri) 12:09 No.989

bakuturisi.gif ふむふむ・・♪

はて、さてこの後どないなるん?どないなるん?
楽しみでんなぁ〜。


Re: 1969夏 vol.16  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/11(Mon) 12:10 No.981

 「岳って、岳尚宏のこと」俺は驚きを隠しながら聞いてみた。

 「知ってるの?」

 「知ってるも何も、一昨日の夜はヤツと飲んでたよ。もちろん、元の時代でだけどね」

 「そう、そして今日は、僕たちの仲間が彼とコンタクトを取ることになってる」。俺の言葉を引き取るように余山が続けた。

 「ウソッ岳さん、この時代に来てるの?」

 「正確には、彼らしき人物って言った方がいいかなぁ。ほら、これ」。余山は「学校だより」を彼女に示した。

 「岳さんがこの時代にいるってことは、やっぱりダメだったのかもしれない」

 「ダメだった?」

 「あのね、リプレイ、リライフでもいいけど、どうして“リ”がつくと思う」

 「リノベーション、リサイクル、リストラクチャリング・・・。意味的には再びとか後にとなるけど、単純に考えれば、ゲームでいうところのやり直しっていう意味かなぁ」。

 「そうやり直し。リプレイはゲームのリプレイと同じ」。

 「ってことは君は元の時代で、もしかして」俺の読んだ小説では、主人公は一旦・・・。

 「死んだのかってことなら、その通りだよ。3回目のリプレイって言ったけど、プロセスは違っても結末は3回とも一緒。52歳で、私の人生は終わり。今までそれを繰り返してきたの。でも、岳さんはもしかしたら解決できるかもしれないっていってた。解決って言うのは53歳以降の人生があるって意味だけど。だから、またこの時代に岳さんが戻ってきてるって事は・・・」。最後の声が小さくなっていった。

 「悲観することでもないさ。岳が解決法を見つけて、それを君に教えるために戻ってきたって可能性もあるじゃないか。それに、今までのリプレイの中で俺たちみたいな人間には会ったことないんだろ」。

 小さく頷いた彼女に、俺は昨日から気になっていた事を確かめてみた。「今までの経験の中で、ヌードを発表したことってある?」。

 「まさか!冗談でしょ!」




Re: 1969夏 vol.16  クチ(中川信一) - 2006/09/12(Tue) 08:51 No.984

bakuturisi.gif うーーん!奥が深い!

>>「今までの経験の中で、ヌードを発表したことってある?」。
>>「まさか!冗談でしょ!」
→これって?現実との違いはどうして起こったのか?

それにしてもVol1から16へと繋がっているといいなぁ〜。
前の読み返しもして繋がり確認したいしねぇ〜。
ねぇ田村はん♪

・・・と!そういえば田村の出番は作品ではあるのかなぁ?




Re: 1969夏 vol.17  三期松 - 2006/09/12(Tue) 20:52 No.985

 なんとまぁ予想通りのお答え。“何かが意識的に、この世界(いや舞台かな?)に俺たちを送り込んだという高内理論も、あながちはずれてはいなかったようだ。

 「やっぱりね。僕たちがこの時代に来たのは、偶然じゃなくって必然っていうか。なんらかの理由があったみたいですねぇ」。余山が俺の方を向いて、したり顔に頷いた。

 「それって、もしかして、あなたたちのいた世界じゃ・・ホント・・・。エーッ信じられな〜い。で、どうだった、何やってたのポルノ女優?にっかつロマンポルノかなんかの。時代が時代だから裏ビデオなんかじゃないよね」。あらま、しっかり楽しんでるよこの人。それにあんたの年ならビニ本でしょうが。

 「青春のアイドルだったよ。リンゴヌードの浅田奈美を知らない、同世代なんて、はっきり言ってパチもんだね」。俺は自信をもって請け負った。

 「リンゴって」。笑いをこらえながら聞く生の浅田奈美。こんなシーンに出会えるんならBSも悪い体験じゃないかも。

 「こーやってね。ここにリンゴをもって仁王立ち。迫力あったんだからぁ」ポーズを取る余山の姿がさらに笑いのGスポットを刺激したみたいだ。

 「ところでさ、君はいくつでその、なんだなリプレイを繰り返すって言うか」フーッ、目の前で生きてる人間に、死んだ年を聞くのは変な感じだ。

 「死んだのかってこと?」。

 「まぇ、そういうこと」

 「48歳。死因は・・っていうか。死ぬ直前の記憶では、事故だったり、心臓の発作だったり、その時々で違うけど、“それ”が起きるのはいつも誕生日一ヶ月前の48歳」

 「俺たちのいた時代では、少なくとも52歳までは、浅田奈美は生きていた」。間違いない。少なくとも浅田ファンの中山の情報によればだが。

 「じゃぁもしかしたら・・」。

 「まぁ、君のために僕らが来たっていうロマンチックな展開とまでは、行かなくともですねぇ。うんとぉ、結果としてこのメビウスの輪みたいな状態から、あなたが抜け出す手助けにはなるかもしれないね」。

 「そのあたりについては、俺たちより理数科の高内やポッコの方が旨く説明出来ると思うよ」。

 「アッと、それからねぇ、も、ひとつ気になってるんだけどぉ、どうして僕たちのことリプレイヤーだと思ったわけ?」そうそう俺もそれが気になってたんだよ、余山くん。

 「見りゃぁ分かるジャン。ううん、余山くんじゃなくって。神崎の方」。

 「俺・・・?」

 「そう、一ヶ月前まで、女の子に声もかけられなかった。ドーテーくんが、一人前の口、聞くんだもん。しかも余山くんと前から知り合いみたいな態度だし。一目瞭然ってなもんですよ」。

 「なるほどね。学校がひけたら、他の奴らと一緒に話しあおうや。出来れば、岳先生も交えてさ」。

 「抜け出せるかなぁ?」難しい質問だ。抜け出せても良いことばかりとは限らない。このままリプレイを繰り返して、思うままに生きた方が幸せなのかもしれない。そんな気持ちが、ふと心をよぎった。

 「会いたい人がいたり、49歳になってからやっておきたかった事があるんだね。」静かな声で余山が言った。若々しい表情の上に、53歳の優しさがオーバーラップした。なるほど、この手できたか、このチョイ悪オヤジめ。




Re: 1969夏 vol.16  クチ(中川信一) - 2006/09/14(Thu) 18:26 No.986

bakuturisi.gif ふむぅ〜。
だんだん話しが佳境に入ってきましたなぁ。

さぁどないなるん??
でもぉ、あんな事したい!こんな事もしてみたい・・・ムフッ♪


変だぞ!ハンカチ王子  投稿者:手品師 投稿日:2006/09/11(Mon) 23:08 No.983
icon13.gif キャバレー「エンペラー」のニュースを見ようとテレビにかじりついていたら「ハンカチ王子」の話題ばかり。
ん?
ここで質問!
ハンカチ王子さん!
アナタは何をしに大学へ進学するの?
勉強がしたいの?
学卒という肩書きがほしいの?
まさか合コンじゃないよね?
野球?
だったらアナタほどの才能あるんなら「プロ」でしょうよ。
おじさんも才能は別としてダンスを極めるのなら「プロ」しか
ないと思った。
なんか変!
まあ、余計なお世話か・・・・・。


直樹のあとで・・  投稿者:手品師 投稿日:2006/09/11(Mon) 14:19 No.982
icon13.gif 土曜日「直樹」へ飲みにいった。
相変わらず客は少なめ(もっとみんな飲みに行こう!)
店をでて「キャバレー・エンペラー」へ。
そうだ、掲示板にも書いたがエンペラー最後の日だ。ラストエンペラーだ(なんちゃって)。
行くと、テレビ局の取材ワンサカ!
当然、取材を受けた。
酔った勢いで喋り捲った。
今朝、出勤するとみんなから「先生ぃ〜、見たよ〜」
「はぁ?」
「ニュース見たよぉ〜」
「随分長々と喋ってましたネェ〜」
まさか!
あれだけ大勢いたのに小生のコメントだけがオンエアされるとは・・・・・
また今日も放送されるらしい。
まいった!


10月7日 同期会  投稿者:貞野真智子(ひら) 投稿日:2006/09/10(Sun) 21:35 No.980
122.gif 秋の気配が感じられる今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか。

先週3日の第19回啓成杯ゴルフもいつもよりは少ない参加人数でしたが、キャラクターの濃い人揃いで楽しいコンペでしたよ。
難しいコースで皆さんスコア―的には苦労しましたが・・・・
優勝は初参加の横浜さん。スポーツセンスは今も健在なのね!
幹事の大和さん、三束さん ありがとうございました。

さて、来る10月7日の同期会まであと1ヶ月を切りました。
発起人会でも盛会を願って打ち合わせも大詰めの段階に入っています。
9月25日の締め切りにはまだ間がありますが、出欠がお決まりの方で返信ハガキがまだお手元にある方は早めの投函をお願い致します。

時節柄、お仕事等の調整が大変とは思いますが 5年ぶり、35年ぶりの再会を楽しみに発起人一同 心より皆さんの参加をお待ちしております。


キャバレーの閉店  投稿者:手品師 投稿日:2006/09/08(Fri) 12:50 No.977
icon13.gif ススキノのキャバレー「エンペラー」が明日で閉店する。
たしか我々が高校生のときにオープンしたはずだ。
思い出は多い、貸切でダンスのデモンストレーションをしたこともあるし、最近ではサークルでも利用した。
勿論、飲みにもでかけた。
タクシーに乗って運転手に「エンペラーのあたりへ」とよく言ったものだ。
時代の流れか最近は昼間カラオケなどに千円で開放したり、努力がみられたがやはり乗り切れなかったらしい。
なにせ器が大きすぎる。
今の社長(たぶん)、つまり当時の社長の息子と予備校で机をならべた記憶もある。同じ歳だ。そしてホステスとして20年間ナンバーワンを守り続けた伝説のホステス「徳川美智子」さん、彼女もわれわれと同じ歳だ。
我々のひとつの時代が終わろうとしている。




Re: キャバレーの閉店  クチ(中川信一) - 2006/09/08(Fri) 15:10 No.978

bakuturisi.gif >>ホステスとして20年間ナンバーワンを守り続けた
>>伝説のホステス「徳川美智子」さん、彼女もわれわれと同じ歳だ。

→そうだよね!確か上川郡下川町の出身だったよね!
でも彼女は既に昨年あたりに独立して自分でスナック経営してるはずだよ。
ススキノの南興ビルの9階で「サロン徳川」という店。

ちなみに、彼女の名刺は凝っているんだよねぇ♪・・・名刺の裏には♂と♀の色んな形が・・ムフッ♪




Re: キャバレーの閉店  手品師 - 2006/09/10(Sun) 12:58 No.979

icon13.gif 「ムフッ」って、つまり・・その・・なんだ・・早い話が・・
48種類の・・いやその・・48ポジションじゃなかった。
48の型と言おうか、あれを・・
お試しになった・・なるほど・・
名刺の裏見ながら・・
ムフッ!


1969 夏 vol.12  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/01(Fri) 13:19 No.953

 「そこでなんだが、やっぱり俺はさっき言ったウイルスという存在を重要視したい」。
高内の口調は今までとは違い、理性的になっていた。いや、本来の思考形態に戻ったと言った方がいいのかな。

 「どっちがウイルスで、どっちがワクチンなのかは分からないけどな。でも何の理由もなく、俺たちがここにいるのはおかしいな。さっき言ってたみたいに、誰かか、何かは分からないけど、何らかの意志が俺たちをこの時代に紛れ込ませたっていうことは、考えられる。で、俺たちとしては何をすべきかだ」。
 ポッコの意見には賛成だったが、俺にはひとつ聞いておきたいことがあった。

 「大事なことだから、ひとつ確認しておきたいんだけどさ。余山、高内、ポッコ、クチ。本当に帰りたいと思ってるんだろうな」。自問するように切り出した。本当を言うと俺自身にもよく分かっていなかった。

 17歳から53歳までの37年間。その間の俺の生き方に確固たる信念はあっただろうか。どこか時代に、イヤ時代という言い方は卑怯だな。とにかく
その場その場をなんとか凌ぎながら生きてきたような気がする。それに比べて、今は、これから先の“未来”を考えればとても優位な状況にあるといっても良いだろう。細かな事柄は覚えていなくても、大きな変化の流れは分かっていいる。先ほど中山がいったバタフライ効果も考えられるが、俺たちが巨大な権力でも持ってしまうならいざ知らず、40年程度で基本的な時代の動きに変化はないはずだ。

 来年の秋、学校をさぼって映画を見ている間に死んでしまったバー様の死に目にも合えるかもしれない。好きだった女の子のこと、受験のこと、俺を裏切ったやつらのこと、失敗したプレゼンのこと、なんだ&かんだ。今なら多分旨くやれる。考えようによっては輝かしい未来の入り口に立っていた。輝かしい未来と言っている割には、せこいことしか思い浮かばない自分がなさけなかった。

 しかし・・・。誰も言葉を発しなかった。みんな考えているんだ。ふいに、生まれたばかりの息子の姿が脳裏に浮かんだ。お父さんと言えず「トゥータン」と呼んだこと。初めて、その言葉を聞いたときの思いが甦ってきた。その傍らには微笑んでいる妻の顔があった。ずるくて、安易で、矮小な俺の人生の中で、そこにだけは、真実があったような気がしてきた。次々に甦る思い出には、安らぎと心地よい充実感に満ちていた。いやになるような諍いやつらいこともあったはずだが、それは浮かんでこなかった。

 沈黙をやぶったのは中山だった。「はずかしい話やけどな、高2の秋のことや。ファーストキスのチャンスがあったんや。あの時、もし彼女とどうかなっとったら、人生はかわっとったかもしれん。これまで、その考えがずっと。いやここにきてからとお違いまっせ。もとの時代にいるときやけど、そのことが頭から離れんかった。いやちぃーとちゃうなぁ。そう思ったのはいやな事があった時や。逃げたいとか、投げ出したいとかな。けど、やっぱし家族やカーちゃん、息子、娘・・。あいつらのためにもおトーちゃん帰らなあかんのや」。

 「クチとこなんか子供二人でしょや。うちは三人だからね。俺が帰ってあげないでどうするのさ。第一、うちのカーちゃん、俺のこと愛してるからな。それにカーちゃんいなけりゃ浮気もできんしょ」。高内め、柄にもなく照れてやがる。

 「俺だってそうだ。浩太郎のヤツもまだまだ心配だからな。女房にも心配させたくないしな」。


 「ハイ決まり。もとの時代に戻る。をこれからの私たちのテーマにしたいと思います。それでさ、僕、発見しちゃったんだけど、この時代に放り込まれた異物は、僕たちや浅田さんだけじゃないみたいだよ」。それまでみんなの話を静かに聞いていた余山は意外なことをいいだしだ。

 「これだよ」余山が差し出した「学校だより」の新任教師欄には、意外な名前が記されていた。

 「英語教師。岳 尚宏???これって。あの岳なのか。27歳、東京生まれ、イリノイ州立スタンフォード大学卒業。特技:英会話、和道流空手2段・・」。




Re: 1969 夏 vol.12  ぽっこ(小森) - 2006/09/01(Fri) 13:48 No.957

icon4.gif いや、おれはどっちでもいいけど




Re: 1969 夏 vol.12  ぽっこ(小森) - 2006/09/01(Fri) 15:34 No.958

icon4.gif 岳 尚宏。
うーむ、遂に出たな、新型ベンツ野郎、時々チョビヒゲ親父。
善玉か、悪玉か、それとも元のキャラの通りのただの助平か。

すべてお前が仕組んだことなのか!?





Re: 1969 夏 vol.12  まっちゃん - 2006/09/01(Fri) 22:11 No.959

momoco11.gif とうとう岳さんまで・・行ってしまいましたか。。
それも新任教師で・・う〜ん。。。
雰囲気あっていると言えなくもない!

どうなるのかな〜〜。。




Re: 1969 夏 vol.12  三期松 - 2006/09/03(Sun) 14:58 No.960

<69/8/25付週間シングルチャート>
 「禁じられた恋」の首位獲得は6週目に入り、ロングセールス化の様相。また森進一は「禁じられた恋」に首位を明け渡した「港町ブルース」に変わる新曲「おんな」を4位にランクインさせてきた。

<当時の出来事:69年8月>
・映画『男はつらいよ』第1作が公開。この後シリーズ化、全48作が製作される
・東京放送で「水戸黄門」が放映開始
・「中津川フォーク・ジャンボリー」(第1回)開催
・米ニューヨーク州のウッドストック近郊でロックフェスティバル開催、動員は3日間で40万とも50万人とも

第86回 1969年(昭和44年)8月25日付 週間シングルチャート
週間順位 タイトル アーティスト名 発売日
1  禁じられた恋    森山良子 1969/3/25
2  恋の奴隷     奥村チヨ  1969/6/1
3   スマイル・フォ−・ミ− ザ・タイガース   1969/7/25
4  おんな      森進一   1969/7/25
5 フランシ−ヌの場合   新谷のり子 1969/6/15
6  長崎は今日も雨だった  内山田洋とクールファイブ 1969/2/1
7 池袋の夜      青江三奈   1969/7/1
8 港町ブルース    森進一        1969/4/15
9 或る日突然   トワ・エ・モワ   1969/5/14
10 輝く星座 ザ・フィフス・ディメンション 1969/5/1
11 今日からあなたと  いしだあゆみ   1969/8/1
12   ジョンとヨ−コのバラ−ド ザ・ビートルズ 1969/7/10
13 嘆き       ザ・タイガース  1969/7/5
14 雲にのりたい   黛ジュン    1969/6/1
15 昭和ブル−ス ザ・ブルーベル・シンガーズ 1969/7/5
16 仁 義       北島三郎    1969/4/1
17 山羊にひかれて カルメン・マキ 1969/7/1
18 白いサンゴ礁  ズーニーブー     1969/4/1
19 オ−・チンチン ハニー・ナイツ 1969/6/25
20 雨   ジリオラ・チンクエッティ 1969/3/20




Re: 1969 夏 vol.12  ひら - 2006/09/03(Sun) 16:56 No.961

122.gif へぇ〜 懐かしい曲ばかりね!
ほとんどの曲のメロディが浮かんできます。よく覚えてるもんだわ!
最近の事は覚えられないのに昔の事はよく覚えてる・・・これって老化?

ところで むっちゃん・・じゃない まっちゃん おひさです。
まっちゃんはBS因子ではないのかしら?
1969年、一緒だった修学旅行のまっちゃんは大人っぽかったような気がするけど・・・今より。
まさかブレインスリップ中だったのかな?
んっ?小説よね。。

今後の展開はいかに。





Re: 1969 夏 vol.12  まっちゃん - 2006/09/06(Wed) 01:43 No.969

icon59.gif >1969年、一緒だった修学旅行のまっちゃんは
>大人っぽかったような気がするけど・・・今より。

チョット、チョット!!
「・・・今より」確かにふけてたね〜(笑)





Re: 1969 夏 vol.12  ・・・・ - 2006/09/07(Thu) 19:46 No.976

本当に懐かしい曲たくさんあるね、
そういえば、たしか「月光仮面」だよなー
懐メロの記事を掲載したの
またメロディー流して欲しいな・・・



1969夏 vol.14  投稿者:三期松 投稿日:2006/09/05(Tue) 20:15 No.968

 幸い、授業開始にはまだ間がある。まっ別に授業が始まったとしても、今の状況より深刻な話題が提供されるとは思わないしね。

 「浅田さん?ちょっといいかな」俺より先に余山が動き出した。さすが、ニッポンの企業戦士、迅速な行動だこと。

 「う〜ん。これから授業が始まっちゃうし。どーしよっかなっ?」まるで90年代の女子高生みたい。21世紀の観点ではちょっと古いけど。こいつ絶対、この時代のヤツじゃないな。

 「授業も大切だけどさ。僕たちと遊ぶのも貴重な青春のプレゼンテーションの一環ってヤツじゃない」。俺は調子を合わせることにした。それにしても今のご挨拶。まったく日本語になってない。

 ふと、気が付くと視線が俺たち3人に集中していた。余山はともかく、この時代の俺の行動パターンとしては、随分と浮いちゃう展開だったみたい。えい、かまうもんかい。これがオヤジの行動力ってもんよ。俺が彼女の手を引く前に、余山が彼女の肩に手をかけ、サッとエスコートに掛かった。上級者だね、こいつ。

 屋上への向かう階段の途中で、浅田がどちらへともなく語りかけてきた。
 
 「初めて?・・・」

 「イヤ、19の時」「俺は20になってから」余山に続いて俺も思わず答えていた。悲しい雄のサガ。

 「違うって。そっちじゃなくってぇ。君たちもリプレイヤーなんでしょってこと」。おかしくて堪らないという様子が妙に可愛らしかった。女房には望めない新鮮さだ。

 「リプレイヤー???」なっ何それ?????

 「あのね小説にあるの。正確には、1986年に発表された作品だからまだこの時代の人は誰も知らないけど」。思い出したケン・グリムウッドの小説だ。確か主人公は一旦死んだはずが、気が付くと大学生の頃に戻っていて、再び人生をやり直すが・・・。その結果は。

 「それよりさ。もってことはさぁ、もってことはぁ、君がそのリプレイヤーってやつか。それともリプレイヤーを知ってるってことなの」余山鋭い。その割に口調は幼いが。




Re: 1969夏 vol.14  ぽっこ(小森) - 2006/09/06(Wed) 10:40 No.970


ぬぬっ!新展開!

リプレイヤー?
人生のリプレイか?
17歳からやり直しってことか?
岳だけは顔の作りからして27歳が精一杯?

> 「初めて?・・・」
浅田奈美は何回もリプレイしてるのか?
ビデオゲームみたいだな。

浅田奈美のリプレイはやっぱりあれか、ヌードになったことを後悔してリセットか?
ん?じゃ、何で、浅田奈美のポスターがこの時代の神崎の部屋に貼ってあるんだ?
(鋭いっ!)
もう脱いだのか?
いやそんなことないよな、普通の女子高生のようだものな。
うーむ・・・

それと何で浅田奈美は神崎、余山がリプレイヤーだって分かるんだ?
(鋭いっ!)
やっぱ、ひねた精神のいやらしさが顔や腰つきに出ているからか?
ううーむ・・・




Re: 1969夏 vol.15  三期松 - 2006/09/06(Wed) 11:00 No.973

 「最初の質問に対する答えはイエス。次の質問にはとりあえずノー」
理知的なお言葉だ。

 「とりあえずってぇことは、可能性のある人物を知ってると解釈して良いのかな?僕たち以外にぃ」。

 「私もまだ、3回目のリプレイだから詳しいことは分からないけど、なんとなくわかるんだ。同じ境遇にある人って。前の時は確かに分かった」。

 「あのさ、ってことは君は元の時代で、もしかして」前提は抜きだ。俺は直接確かめることにした。

 「死んだのかってことなら、その通りだよ。3回ともね」。

 「俺たちは死んでこの時代に来た訳じゃない。少なくとも2日前の時点では、死ぬような苦しみを味わった覚えはない」。

 「リプレイヤーじゃないの?」

 「俺たちはブレインスリップギャングって呼んでる」。

 「あのね、ええっとぉ、自己紹介じゃないけど、僕たちの状況を説明しておくね」。余山は、今までの経過を彼女に説明した。

 「私の知ってる例とは随分違うみたいだな。リプレイって呼んでるけど、正確にはリ・ライフって言った方がいいのかも。若かったころ、そのままの自分に戻る訳じゃないの。姿形は同じで親も一緒なんだけど、ジャンプした時点での環境が以前とは違うの。そこが小説とはちょっとっていうか、まったく違うとこなんだけどね」。

 「時間をそのまま遡る訳じゃないって事かな」。

 「多分、よく似た時間の流れがいくつもあって、その中のひとつに入り込むんだと思う」。

 「入り込む方はいいけどさぁ。入り込まれた方はどうなるの?それとも以前の記憶を持ったままで生まれてくるとか?」。

 「この身体を使っていた人格はどうなるのかは、私もよくわからない。もしかしたら取り込まれちゃうのかもしれない、とは聞いたけど」?

 「聞いたって、誰に?同じリプレイヤーの人?」俺と余山は、同時に同じセリフを口にした。

 「前にリプレイした時会った岳さんって人に」。
 また、岳だ。




Re: 1969夏 vol.14  ぽっこ(小森) - 2006/09/07(Thu) 10:01 No.974


リプレイヤーは偶然または何らかの理由で啓成高校に集中しているのか、
はたまたどこにでもいるのか。
もし、どこにでもいるということであれば、
世界中にうじゃうじゃいるということになる。
全然気づかなかった・・・

俺の高校時代にもいたということか。
一人は判明した。
まっちゃんだ。

教師にもいたのか?
数学の端野先生・・・確かに変人だった・・・
英語の田端先生・・・怪しいといえば怪しいような・・・

> 「前にリプレイした時会った岳さんって人に」。
> また、岳だ。

が、岳然・・・





Re: 1969夏 vol.14  クチ(中川信一) - 2006/09/07(Thu) 17:48 No.975

bakuturisi.gif 俺は皆から抜け駆けして『初キッス未遂・オシッコに負けた』事件を覆しに行ってきたいぃぃ!〜♪

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